
指輪は、輪です。
はじまりも、おわりもない。
そのかたちに、人は「途切れないもの」を重ねてきました。
終わりのない輪は、続いていくことの象徴とされてきました。
世界の多くの地域で指輪が節目に贈られてきたのは、このかたちが、そう信じさせてくれるからかもしれません。
これは、事実というより、言い伝えです。
けれど、長いあいだ受け継がれてきたということ自体に、人の願いのかたちが表れているように思います。
指輪は、多くの場合、ふたりで交わします。
片方だけでは、成り立たない。
贈り、受け取る。その行為のなかに、約束のかたちがあります。
縁起をかつぐことを、否定はしません。
けれど、わたしたちがいちばん確かだと思うのは、毎日、指にあるという事実のほうです。
縁起は、信じるかどうかで変わります。
指にある指輪は、信じても信じなくても、そこにあります。